浜松市中央区小池町2923⁻1
TEL 053-464ー9955
FAX 053ー468ー2626

交通事故の診療において健康保険を利用する場合の注意事項

【自動車の保険について】

交通事故に係る医療費支払いのための自動車保険には、自動車損害賠償責
任保険(以下「自賠責保険」)と任意保険の「対人賠償保険」があります。
自賠責保険は、被害者救済を図ることを目的に自動車損害賠償保障法によ
りすべての自動車に加入が義務づけられた「強制保険」であり、被害者に重
大な過失(実務上概ね70%以上の過失)がなければ過失相殺(損害額の減
額)は適用されません。
任意保険は、自賠責保険の上積み保険で加入の義務はありませんが、現在
の加入率は80%を超えるといわれ、加入が一般的となっています。
したがって、交通事故に係る診療においては、保険制度の目的等を勘案し、
自動車専用の保険を利用するのが、患者さんにとって最善であると考えます。

【健康保険を利用する場合】
しかしながら、何らかの理由により、健康保険での診療を患者さん自身が
希望される場合には、健康保険証を医療機関窓口に提示することで健康保険
による診療が可能となります。(患者さん以外の第三者の都合や意向で健康保
険の利用を強要されてはなりません。)
また、健康保険による診療を希望される場合は、あらかじめ以下の点につ
いてご了承いただく必要があります。
  1. 患者さん自身が加入している健康保険の保険者(社会保険なら健康保険組
    合・社会保険事務所等、国民健康保険なら居住地の市町村)に、遅滞なく「第
    三者行為」の届け出を行う必要があります。
  2. 健康保険による治療は、健康保険法等に基づいて使用できる薬剤の種類・
    量、リハビリの回数等に制約があります。
    また、外来受診の際には、その都度窓口で一部負担金(一般の被保険者・
    被扶養者の場合は3割負担分)の支払いが必要となります。
  3. 交通事故外傷は緊急対応を要することが多く、また後遺症を極力残さない
    ためにも制約のある健康保険診療は適さないものです。